現代の日本の気動車は、ほぼすべてが「液体式変速機」を使用していて、トルクコンバータのトルク増幅機能によって低速域の牽引性能を確保すると共に、直結段での変速によって、広い速度領域でエンジン性能の有効活用を図っています。
ディーゼルエンジンの特徴として全域でフラットトルクであるため、出力が回転数にほぼ比例して上がることから、高速域での牽引力は、同出力の直流直巻モーターを上回ることがあげられます。
液体変速機を使用した気動車の、起動直後の低速域での加速度は一般に電車より高いですが、電車のモーターは右下がりのトルク特性で、起動時から同じ加速度を維持できるのに対して、気動車では変速機の出力側回転数が増すにつれ加速度が急激に減少するのが一般的で、そのため、上の段に変速する必要があります。
気動車の高性能化に際しては過大出力とも言える機関の搭載を必要としますが、これにはエンジン技術の他にも車両床下への搭載性、更には経済性などの制約を伴います。
1980年代以降、高性能エンジンの採用と電子制御の発展による多段型変速機の実用化で気動車の性能改善は飛躍的に進みました。
しかし、現行の技術をもってしても高出力化には車両搭載性、そして経済面での制約が依然として存在します。
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